ネパールでは起業したい人がすごい多いって話

Opinion

私は一時期ネパール人とルームシェアをしていた。その時に聞いて驚いたことがある。

ネパール人の起業意欲の旺盛さだ。

ネパールは国全体がシリコンバレーのようにアントレプレナー精神で溢れかえっており、会社員になる道しかないと早とちりする人が大勢いる日本とは大違いである、というふうに感じるかもしれない。

違うのだ。そもそも、根本的に発想が異なるのだ。

簡単な話である。ネパールでは、従業員を雇えるような、体力のある会社が少ないので、仕事をするには、自ら仕事を創り出して商売しないと働けないから、(言ってしまえば消極的理由で)起業という選択になるのだ。もちろん起業といっても、我々がイメージするようなITベンチャー起こしてバリバリやっていく、という感じではない。路上で物販したり、マッサージ屋、未掃除屋を開業したり、といった形態だ。

だから、起業というよりは、ギグワーカー、個人事業主、フリーランスといったほうが我々のイメージに近いだろうか。

ネパールには仕事がないから国外に出稼ぎにいく

ネパールのGDPの3割は出稼ぎにいったネパール人の本国への送金である。自国に産業がないから、出稼ぎにでて、本国の家族を養っている。そういう状況である。

だから日本人の「起業したい(社長になって資本主義社会における高い地位に属する人間となりたい!)」と、ネパール人の「起業したい(将来は自国で、家族みんなと生きていくために、かつ、できたら自国で雇用を創出して出稼ぎにいかずともネパールで生活できる隣人を増やすために、事業を起こしたい!)」とでは、全く意味がことなるのである。

日本に生きる我々がおかれる環境について再考しよう

まず、雇用がある。有効求人倍率は、コロナ禍であっても1を超えている。つまり、希望すればみんな雇用してもらえる(=高い人件費を払ってもらえる)んですよ!

「自国には仕事がないから、自分で起こさなきゃな」ではなく「どっか会社にはいらなきゃな」とでは、全く大変具合が違う。これだけでも、自国の産業が発達していることのありがたみがわかるというものである。

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