青森ねぶた祭キャンプ場の歴史 その3

ねぶた

青森ねぶた祭キャンプ場の歴史について説明する。前回では、安定して参加を認めてらっていた団体が、なんとねぶたの運行自体をやめてしまい、旅人がまた参加先にこまる「跳人難民時代」に突入したことまで説明した。その後ライダーたちはどうなっていったのだろうか。

2004年、ライダーが青森に集う。しかし参加先は未定

2004年の夏、今年もねぶたがはじまった。今年も青森に続々とライダー、チャリダーが集まってくる。しかし、事態は深刻だった。

8月1日になっても、旅人跳人の受け入れ団体が決まっていなかったのである。

 

どの団体も「ライダーはいらない」っていうの。だからオレ途方にくれちゃって、フェリーターミナルの2Fからずっと海みてたんよね・・・

三代目総長は、困り果ててしまった。

前の運行団体の親方より紹介を受ける

そんな中、2001年まで旅人を受け入れてくれた団体の親方が、「A団体(仮称)ならいけるかもしれない」、という話をもってきた。8月1日、三代目総長はすかさず交渉に向かった。しかしながら交渉は難航した・・・

旅人が参加するなら「完全正装」な!花笠もかぶってもらわなきゃだめだ。今はカラスハネト完全排除が大事なんだ!カラスみたいな旅人は受け入れられねえ

んな無茶な!旅人はみんなビンボーで長期旅行してる奴らなんですよ。花笠買う金なんてないし、完全正装なんて無理ですよ!

総長はA団体のねぶた小屋で、A団体のお偉いさんに囲まれながら、唾飛ばし合いの喧嘩をして、結局その日のうちに結論がでなかった

受入許可、下る

ねぶたの運行がはじまる8月2日、総長の携帯がなった。「旅人の跳人としての参加を許可する」という連絡であった。花笠も受入団体が100個、旅人のために用意するからかぶってくれ、という話であった。この時から、現在に至るまで、この団体との長い付き合いが始まるのであった。

花笠を拒絶する旅人

やっとの思いで、旅人跳人のねぶた祭参加をこぎつけたのに、総長の言うことをみんな聞いてくれない。。。

A団体が旅人の受入を許可してくれたんだ。でも花笠の着用が条件だ。みんなわかってくれ

いやだ!こんなあつくて、邪魔くさいもの被らねえよ!!!

おい・・・

旅人は誰にも、何にも縛られずにいきる生き物。それを統制するって、まじで大変だろう・・・

結局無理やり旅人に花笠を被らさせて、なんとかねぶた祭への参加を実現させたのだ。

A団体、23年ぶり受賞

こうして、2004年から、毎日、毎年旅人がA団体に参加するようになった。これによりA団体に変化が生じる。というのも、A団体は、なかなか受賞できない、いわば「無名の団体」であったが、旅人がそれに変化をもたらすのである。

旅人を受け入れた2004年、ついで2005年に相次いで受賞してしまったのである。A団体は1981年以来、受賞できてなかったので、実にこれは23年ぶりの快挙であった。

極めつけは、2009年にもまた上位入賞。これによりA団体内における旅人の地位上昇は決定的になったのだ!

2009年の受賞の時は、手のひら返したかのようにガラっとライダーに対する評価がかわったんだよ。オレも後ろから「跳ねろライダー!」「跳ねて跳ねて跳ねまくれー!」「休んでんじゃねぇぞ!」って発破をかけまくった

総長、スパルタっすね・・・

羨望の眼差しでみる他団体

今まで無名だったA団体がいきなり受賞しだして、で実際をみてみると、威勢の良い跳人が狂ったように跳ね叫びまくってるわけだ。それを他の団体、羨ましがっちゃったわけだ。跳人がいかに活気があるかも、評価対象なので。

旅人跳人派遣団、結成

旅人の評判を聞きつけた、他の団体の親方がA団体の親方に相談にきた。うちにも旅人の跳人わけてくれ、と(笑)。そんなわけで、三代目総長は精鋭部隊を結成、そしてその団体に派遣した。結果、受賞しちゃった。また地位あがりますな。

実際はどうなんだろうか

とまぁここまで、旅人が入ったおかげでA団体は入賞できた!っていう論調で書きすすめてきたが、実際ねぶたの採点にあたり、配点の大きなところは、ねぶた本体である。だから、どこまで旅人跳人がA団体の受賞に貢献したのかは、よくわからない。でも、旅人がA団体の受賞に貢献したとA団体、及び他団体が思っているのはどうやら事実っぽそうなので、旅人が運行団体に与えた影響は小さくない、といえるだろう。

最後に

旅人跳人がA団体と出会って、その後について説明してきた。これが今日見受けられる幸せな関係の源流となっている。

次のページでは、このねぶたのキャンプ場の運営を軌道にのせた総長の代替わりがおきる。また、「バイクパレード」の順調な実施にあたって試行錯誤を繰り返してきた旅人たちの様子と、カラスだった旅人が如何にしてカラスの統制側にまわりだしたのか、そういうところ説明したい。

おねがい

この記事は主に三代目総長の貴重な発言により成立しています。そのため、無断転載等は固くお断りいたします。

また、本記事を公開するにあたり、本キャンプ場に長く関わっている方から監修をうけております。

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